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独立・起業したら健康保険はどうなるの?

いよいよ独立!起業!という場合、これからの事業のことで頭が一杯になりますよね。
法人設立となると手続きも複雑で手間もかかるしお金もかかる。
本業に集中しようとしてもなかなかできず頭を悩ませている方も多いでしょう。

でも忘れがちなことがあります。「健康保険」です。
サラリーマンの時は総務の担当者が何でもやって、保険料も天引きでしたが、これからは誰もやってくれません。
従業員を雇ったら、彼らの保険も面倒見なければなりません。
ここからは独立後の健康保険について解説します。

退職翌日には資格喪失!健康保険の手続を忘れずに!

退職したら翌日には健康保険の資格を喪失します。忘れずに手続をしましょう。
健康保険に関しては、退職後の選択肢は3つあります。

① 「健康保険の任意継続(2年間)」②「国民健康保険加入」③「(法人設立等)健康保険加入」です。
いずれの場合も、「健康保険・厚生年金保険被保険者喪失届」を、退職の翌日から5日以内に提出する必要があります。
退職の際には、それまで使っていた健康保険証は回収されますので、速やかに新しい保険の手続きが必要です。

① 健康保険の任意継続(2年間)
退職までに2か月以上、健康保険の被保険者であった場合、退職後も健康保険を2年間継続することができます。
退職後、20日以内に申請が必要です。
申請手続きは居住地の協会けんぽの支部や健康保険組合の窓口で行います。
なお保険料は、全額自己負担となります。保険料が倍になりますので注意が必要です。

② 国民健康保険
フリーランスとして個人事業主になる人は、国民健康保険という医療保険制度を利用します。
加入手続きは、退職日の翌日から14日以内に居住地の市町村で手続きを行います。
用意するものは、「資格喪失確認通知書の写し」または「資格喪失証明書」です。

国民健康保険料は、各市区町村によって、計算方法が異なります。
市町村の窓口で確認するか、WEB上で国民健康保険の計算シミュレーションを利用するといいでしょう。
国民健康保険料は、住民税と同じく前年の税込年収をもとに計算されます。
前年度のサラリーマン時代の年収が多く、退職後の年収が低い場合は、急に負担が大きくりますので、注意が必要です。

③ (法人設立等)健康保険加入
独立して、法人を設立した場合や、個人事業主で5人以上の社員を使用する場合は、「強制適用事業所」として健康保険への加入が義務付けられます。
健康保険は事業所単位で適用されます。
まず新規で事業所を立ち上げたら「新規適用事業所の届出」が必要です。
個人事業主の場合は常時従業員を5人以上で適用事業所となりますが、株式会社は社長1人だったとしても従業員を雇った時点で適用事業所となります。
会社設立または従業員を雇用したら、5日以内に事業所を管轄する年金事務所に届け出を行います。

■必要書類
(法人の場合)
・法人登記簿謄本(発行後90日以内・写し可)
・被保険者資格取得届
・被扶養者(異動)届
・保険料口座振替納付(変更)申出書
・事業所の所在地が確認できるもの(賃貸契約書写し等)

(個人事業主の場合)
・事業主世帯全員の住民票の写し(発行後90日以内・原本)
・被保険者資格取得届
・被扶養者(異動)届
・保険料口座振替納付(変更)申出書
・事業所の所在地が確認できるもの(賃貸契約書写し等)

やはり手厚いのは「健康保険」!

健康保険 国民健康保険
国民健康保険 個人単位での加入
(世帯主の年収で算出)
世帯単位での加入
(世帯全員の年収で算出)
家族の保険料 被扶養者は保険料不要
(年収130万円未満)
世帯単位での加入
(世帯全員の年収で算出)
負担割合 会社と折半 全額負担
傷病手当金
出産手当金
あり なし

 

健康保険は個人単位で加入するのに対し、国民健康保険は世帯単位で加入します。
健康保険は扶養家族には保険料がかかりませんが、国民保険料は世帯人数により保険料が変わります。
よって世帯人数が増えると保険料も負担が増えることになります。

また健康保険は保険料の半額を会社が負担するのに対して、国民健康保険は全額を本人が負担しなければなりません。(会社としては本人や従業員の保険料負担が発生します)
その他、病気やケガで就業できなくなった時の補償である傷病手当金や出産手当金制度も健康保険にはありますが、国民健康保険にはありません。

傷病手当金は、病気休養中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。
被保険者が病気やケガで会社を休み、十分な報酬が得られない場合に支給されますが、標準報酬月額の3分の2が最長1年半支給されます。

こうして比較してみると健康保険の方が保険料の面でも割安で、保障内容も手厚いことがわかります。
また経営者という立場から考えると、今後従業員を増やす予定であれば、福利厚生の充実、人材の確保という面でも、早めに法人化をして健康保険制度を導入するのも一つでしょう。

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