政府が掲げる「働き方改革」の影響で注目を浴びてきているシェアオフィス。
以前は小規模企業のオフィスとしての使われ方が一般的でしたが、最近では大企業のオフィスとしても活用され始めています。
多くの企業で導入が始まっているシェアオフィスの魅力やメリット、シェアオフィスの活用で変わるワークスタイルに焦点を当ててご紹介します。
自社でオフィスを構えるのに比べて、シェアオフィスは設備投資が不要なのが最大のメリットです。
物件の賃貸、机や椅子などワークスペースの什器、複合機やコピー機、固定電話の設備など、通常オフィスを構える際に準備しなければならないものがシェアオフィスには最初から用意されています。
自社でオフィスを構える場合、これらの初期投資は多額になりますが、シェアオフィスの活用で初期投資が不要となれば小規模企業や個人事業主にとっては大きなメリットです。
オフィス利用のハードルが低くなり、初期投資の面でスモールスタートを切ることができるでしょう。
シェアオフィスは月額料金での利用が可能で利用人数に応じた料金となる場合が多いので、フレキシブルに契約の更新・解約ができるのもメリットです。
規模の拡大で大きいオフィスが必要になった時、または規模を縮小する時に、オフィスの移転や賃貸契約で頭を悩ませることがありません。
また、引っ越しが必要となった場合も、シェアオフィスだと便利です。
賃貸契約の満期を待たなければならなかったり、満期前に引っ越しを行って賃貸違約金を払うこともありません。
ビジネスの形態に応じて素早くオフィスを拡張・縮小できるのが、シェアオフィスのメリットと言えるでしょう。
オフィスの設備や備品は仕事で毎日使っていれば破損のリスクがあります。
シェアオフィスの場合、ファシリティはシェアオフィスの提供会社が用意していますので、破損による什器やプリンター購入の必要はありません。
利用者側はシェアオフィスの月額料金の支払いのみなので、予算を組みやすいのもポイントです。
シェアオフィスを活用して、社員数分の座席を用意しないという施策を取っている会社もあります。
外出する社員がいることを踏まえて、全体の80%〜90%の座席数あれば運用できるので、座席数を減らして運用コストを減らすことができるでしょう。
シェアオフィスのメリットは多く、ワークスタイルの変革に大きな影響をもたらしますが、同時にデメリットも存在します。
シェアオフィスを活用する前に、デメリットについても知っておきましょう。
シェアオフィスには様々な契約形態があります。
ワークスペースのみを利用するプランから、電話の転送ができるプラン、個室のワークスペースを利用できるプランなど、使いたい機能に応じて選ぶことができます。
個室のワークスペースを利用する場合、プライベートは確保されていますので自社オフィスと同様に利用することができます。
通常のワークスペースを利用する場合は、他の会社の人やフリーランスの人と同じ場所で仕事をすることになります。
この際に気をつけたいのは機密情報の取り扱いです。
カフェやレストランで仕事をするのと異なり、シェアオフィスの会員は仕事をしに来ていますので、他人の機密情報をむやみに詮索したりすることは基本的にはありません。
しかし、他社に絶対に漏らしてはいけない情報を取り扱う場合は、細心の注意を払う必要があります。
電話や社員同士の会話で他社に知れ渡ってしまうことがないよう、従業員一人一人が意識を持たなければなりません。
自社オフィスなら気兼ねなくできる会話も、シェアオフィスでは注意しながら行わなければならないのは、シェアオフィスのデメリットの一つと言えるでしょう。
フリーアドレスのシェアオフィスの場合、会社ごとに座席を指定することができないため、オフィスに固定電話を設置するのが難しくなります。
フリーアドレスのシェアオフィスを利用する場合は、03番号取得サービスなどを利用して携帯電話で固定電話の番号を受けたり、秘書代行サービスと併用して固定電話の番号は別の場所で受信するなど、電話の運用を検討する必要があるでしょう。
最近では、日立やソフトバンクなど規模の大きい企業もシェアオフィスを利用する事例も出てきました。
また、企業のサテライトオフィスとしてシェアオフィスを活用するケースも増えてきています。
これらのケースは単に初期投資が押さえられるというメリットだけでなく、ワークスタイルの変革によるメリットも視野に入れてシェアオフィスを活用していると想定されます。
シェアオフィスなら小さい単位から契約ができるので、複数の拠点で利用できるようにしておけば、その日の仕事に合わせてユーザがオフィスを選択することができます。
営業など外出が多い社員の場合は、自社オフィスで仕事をすることが必ずしも効率的とは言えません。
クライアントの会社に近いオフィスで仕事をすることで、移動時間削減などの時間を効率化できるでしょう。
フリーアドレスにより部署の垣根がなくなれば、それまでなかったコミュニケーションが図られるようになります。
情報交換が活性化されることで、新しいアイデアが浮かんだり、仕事上での悩みを解決できたりと、副次的な効果も期待できます。
シェアオフィスを利用するだけでは、ワークスタイルの変革には結びつきません。
在宅ワークやリモートワークの推奨、コアタイムの撤廃など就業制度の変更や、会議や報告スタイルをオンラインで行うなど実務の変更などを合わせて行うことが必要です。
働く環境と社員の意識を変えることで、ワークスタイル変革に一歩近づいていけるでしょう。
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