いよいよ独立!起業!という場合、これからの事業のことで頭が一杯になりますよね。
法人設立となると手続きも複雑で手間もかかるしお金もかかる。
本業に集中しようとしてもなかなかできず頭を悩ませている方も多いでしょう。
忘れてはいけない手続きのひとつに「年金」があります。
サラリーマンの時は給与天引きされているだけで、年金について考える機会は少なかったことでしょう。
新聞やニュースで年金不安の問題が取り上げられても、目の前の問題の方がどうしても気になるものです。
でもフリーランスが加入する「国民年金」と、会社員(社長を含む)が加入する「厚生年金」は制度に違いがありますので注意が必要です。
ここからは独立後の国民年金制度や手続について解説します。
年金については、「健康保険」加入者は「厚生年金」に加入します。
会社員(法人の従業員)や会社の社長は健康保険、厚生年金に加入すると考えてください。
同様に「国民健康保険」加入者は「国民年金」に加入します。
フリーランス(個人事業主)になった場合は国民年金に加入します。
勤めていた会社を退職し、フリーランスになった場合は、退職日から14日以内に、居住している市区町村役場に「種別変更届」を提出します。
(準備するもの)
・種別変更届
・年金手帳
・認印
20歳から60歳未満の人は「国民年金」に加入しなければなりません。
国民年金には3つの種類があります。
第一号被保険者 | フリーランス・学生・無職 |
第二号被保険者 | 会社員・公務員 |
第三号被保険者 | 第二号被保険者の配偶者 |
個人事業主は国民年金の「第一号被保険者」として届出を行い、保険料を全額納付します。
会社員時代は厚生年金(「第二号被保険者」)に加入し保険料は事業所と折半になりますが、国民年金では全額自己負担です。
また配偶者も「第三号被保険者」から「第一号被保険者」になり、これまで無料だった保険料は、自己負担が発生します。
その他成人している扶養家族についても、人数分だけ支払金額は増えます。
国民年金保険料は所得や収入に関わらず金額は一定です(H30年度:16,340円/月)。
保険料の前納制度があり、前払いを行うことで保険料の割引を受けることができます。
国民年金基金は国民年金の二階建て部分です。
会社員の場合、国民年金の上に厚生年金に加入する制度になっているため、受取金額が大きくなっています。
個人事業主は、国民年金基金(二階建て部分)に加入することで受取金額を増やすことができます。
国民年金基金の掛金は任意で設定することができます。
加入手続きは生命保険会社や信託銀行で行います。
「国民年金のみでは将来受け取る金額が不足する」と心配される方には付加年金という制度があります。
付加保険料:400円
付加年金として受け取れる年金額=200円×付加保険料を納付した月数
例えば付加保険料として40歳から60歳まで20年間、付加保険料を納付した場合、
付加年金額 200円×240カ月=48,000円
48,000円というと、付加保険料を2年間払えばもとが取れる計算になります。
なお国民年金基金に加入している人は付加年金に加入できません。
三階部分 | 国民年金基金 (付加年金) |
個人型確定拠出 年金 |
|
企業型確定拠出年金 | 確定給付企業年金 | 厚生年金基金 | |||
二階部分 | 厚生年金 | ||||||||
一階部分 | 国民年金 | ||||||||
第三号被保険者 | 第一号被保険者 | 第二号被保険者 |
日常生活の中では年金制度について意識する場面も多くありませんが、手続を忘れると未納状態となってしまいます。
速やかに手続きを行いましょう。
また国民年金を選択する場合には厚生年金に比べ将来の受取額が少なくなる恐れがあります。
国民年金基金や付加保険料、または個人型確定拠出年金や民間の年金保険などを活用し老後資金の準備も検討してみましょう。
クラウドオフィスに発信致します。
よろしいですか?